発病



  • 彼女が、ある日突然、失踪した
  • とても暑い夏の始まり
  • いつも美味しそうに食べていた乾燥フードを、食べなくなった。
  • 水をたくさん飲む

    トイレの量が多くなり、元気がない。

  • 家のあちこちに見つけた数個の嘔吐物
  • トイレの黒い下痢便。

  • 「夕方、仕事から戻ったらお者さんにいかなきゃ」

  • たくさん家を汚した申し訳なさからか
  • すこしよそよそしい様子の彼女を残して出勤。
  • 夕方、帰宅した家に、彼女の姿はなく

  • 「猫は死ぬときに身を隠す」

  • そんないやな言葉が胸をよぎった。




朝夕、必死に探しまわって見つからず、家の中でしか暮らしていなかった猫なので
もはや生きてはいないだろうと思いはじめた頃である。夕方の犬の散歩中、暗闇のなか、遠くの茂みの中、ふたつ光る目のようなものが映って見えた。

次の日の早朝、草の中、全く動けなくなった状態でうずくまった彼女を抱き上げた。
体重は半分以下のなっていた。病院まで、いつもは嫌がる車のなかぴくりとも動かなかった。
前足の毛をバリカンで刈り取り、先生が血管から血液を抜く。
「ねこ腎臓病」と診断され、入院することになった。

10日間の入院ののち、少し元気になった彼女は退院してきた。それからは腎臓病の猫用の特別ペットフードと「活性炭」のお薬を飲ませることが必要になった。

活性炭は液体には解けないので、何かに混ぜ込むといっても、特別食は乾燥フードだった。特別のペットフードも美味しくなかったようで、食べなかった。
いろんな方法を試した。結局直接口に放りこむのがいちばん確実で効果的だと気が付くのに3か月はかかり、そして彼女は立派な「慢性腎臓病ネコちゃん」となった。16歳から23歳で消えてしまうまで、あわせて3回死にかけた。それでもたくましく、いつも私達に笑いと癒しをくれながら、彼女の「人生」ならぬ「猫性」は心の中に大きな優しさをおいていった。

そしていつか、私にも神様から与えられる最後の日が訪れる。
何か、私も暖かいものが残せたらいいなぁと思います。




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